リーフ・ライダー

リーフ・ライダー

しかも彼に声をかけたのは、立派なスーツとシルクハットを身につけ、ドラゴンの頭を模した装飾がついた杖を手にした、1人の赤毛の紳士だったのである

 その男の名は、リキヤ・ハヤカワ

今では世界規模の巨大企業へと成長したモリガン・カンパニーの社長である

 彼の運営するモリガン・カンパニーでは他の工場では考えられないほど高額の賃金が支払われており、従業員の要望も聞き入れてくれる

しかも休暇までしっかりと与えてくれる上に、種族の差別を一切しない職場であった

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安い賃金しか与えられず、休暇も存在しなかった以前の職場と比べれば、まさにそこは楽園としか言いようがない場所であった

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 高い賃金のおかげで妻の治療のために一流の治療魔術師(ヒーラー)を雇えるようになった上に、完治した妻と幼い愛娘を連れて、こうして貴族ばかり乗っているような豪華客船の『グランバルカ号』に乗って船旅ができるようになったのである

 労働者向けのチケットを担当者に見せた際に嘲笑されたが、やっと自分も貴族たちに追いつき始めたという喜びが、瞬く間に嘲笑された憤りを希釈してしまう

 普通ならば、工場で働くごく普通の労働者が、貴族たちの乗る豪華客船に乗って船旅をするという事はありえないのだから

「パパ、あれはなに?」「え?」 空を飛ぶ飛竜を見ているのが飽きたのか、いつの間にか空ではなくウィルバー海峡を見つめていたアンジェリカが、小さな指を海面へと向ける

 ウィルバー海峡はカルガニスタンとヴリシア帝国の間に広がる海域である

クラーケンやリヴァイアサンなどの魔物が生息する危険な海域だったのだが、ヴリシア帝国から魔物の掃討を依頼されたモリガン・カンパニーの第237哨戒艦隊によって徹底的な掃討作戦が実施され、海峡に生息する魔物たちはすでに壊滅状態に陥っていたのだ

 ウダロイ級駆逐艦を56隻も投入した掃討作戦で、巨大な魔物たちは瞬く間に海の藻屑と化し、ダンジョンに指定されていた一部の海域も指定が解除されてしまった

帝国の周囲で最も安全な海域と言われるほどであり、騎士団に護衛されずに民間の商船も行き来できるような安全な海域と化している

 もしかしたら魔物を見つけたのだろうかと思ってぞっとしたが、愛娘が指差している場所には何も見当たらない

蒼くて美しい海面が、グランバルカ号が生み出した波によって歪められているだけである

「何もないじゃないか」「ほら、あそこ

へんなのがうみのなかにいるよ」「え?」 愛娘が指差す場所をもう一度注視してみようと思った次の瞬間だった

 まるで巨大な船同士が真正面からぶつかり合ったかのような凄まじい衝撃が、グランバルカ号の左舷から右舷を突き抜けたかと思うと、その衝撃が発生した発生源から荒々しい水柱が吹き上がる